追手風部屋の歴代力士一覧|全関取の戦歴と優勝・三賞記録

追手風(おいてかぜ)部屋の過去から現在までの主な所属力士をご紹介する追手風部屋の大相撲力士まとめ!

この記事では追手風部屋の主な関取を中心に紹介していきます。過去の力士については最高位や改名歴、初土俵や各段の昇進時期と最終場所、さらに生涯戦歴と生涯勝率、成績等を中心にご紹介していきます。また、現役力士については最高位と昇進時期、主な成績などを載せています。

現役の追手風部屋力士の最新番付や成績、詳細なデータをご覧になりたい方はこちら

5月場所千秋楽の取組結果はこちら。


5月場所の各段の成績順はこちらで確認ができます。

相撲部屋や出身地ごとの成績から、場所中はリアルタイムでランキングを作成しております。今場所好調な相撲部屋や力士の出身地はどこ?

追手風部屋の基本情報
一門
:時津風一門
創設
:平成10年(1998年)10月1日
創設者
:第11代・追手風 直樹 (元前頭2枚目・大翔山 直樹)
現師匠
:同上
所在地
:埼玉県草加市瀬崎5-32-22 📍地図
サイト
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追手風部屋の概略

現在の追手風部屋を遡ると昭和13年(1938)1月を起源とする旧・追手風部屋へと繋がる…とも言えます。

旧追手風部屋の閉鎖

二十山部屋から分家独立して追手風部屋を創設した8代・追手風(元大関・清水川)は、小結・清水川に幕内・起雲山や追手山などを育てましたが、昭和40年(1965)1月に停年を迎えたために部屋を閉鎖することになります。

これに伴って所属力士は立浪部屋へと移籍することになり、追手山から追風山へと四股名を改めていた後の10代追手風も立浪部屋へと移りました。

立浪部屋から33年ぶりの分家独立

立浪部屋では部屋付親方を努めていましたが、平成9年(1997)8月に10代・追手風と、その娘婿であった当時の12代・中川(現在の11代・追手風(元前頭2・大翔山))は友綱へと移籍して互いの名跡を交換、同年10月1日に友綱部屋から11代追手風(大翔山)は分家独立を果たして追手風部屋を興すのです。

こうした経緯があるために系譜は繋がっていると言えなくもないですが、大翔山自身は旧追手風部屋に所属していたわけでもなく、更に閉鎖されてから約33年も経過しているため、ここでは再興ではなく「創設」とさせて頂きました。

追手風部屋の優勝力士

追手風部屋 歴代幕内優勝力士一覧

追手風部屋では大栄翔が令和3年(2021年)1月場所で幕内優勝を達成しています。いまから5年4ヶ月前のことです。

場所年月四股名番付成績年齢出身地最高位部屋備考
令和3年1月
(2021年)
R3.1
2021
大栄翔
[初]
西前頭筆頭13勝2敗27歳2ヶ月埼玉県関脇追手風
埼玉出身力士として初の幕内優勝。追手風部屋としても初。

追手風部屋 幕内優勝回数ランキング

追手風部屋の幕内優勝回数ランキングです。大栄翔は前頭で1回優勝しています。優勝した場所での本割の成績は13勝2敗で、勝率は.867となっています。

※勝利合計と敗戦合計・勝率は、幕内優勝場所での成績合計です。

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順位四股名最高位優勝
回数
横綱大関関脇小結前頭勝利
合計
敗戦
合計
勝率部屋出身地
1位大栄翔関脇1回00113勝2敗.867追手風埼玉県
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追手風部屋の三賞受賞力士

追手風部屋 歴代三賞受賞力士一覧

追手風部屋では、これまでに6人の力士が三賞を受賞しており、獲得数はあわせて19回になります。

受賞の内訳は、技能賞が7回、殊勲賞が7回、敢闘賞が5回となっています。

また、ダブル受賞は大栄翔が1回ずつ達成しています。

場所年月 番付 受賞力士 受賞 成績 受賞時
年齢
出身地 部屋 初土俵 生年月日
令和5年3月
(2023年)
R5.3
(2023)
東小結東小結大栄翔技能賞 [2回目]12勝3敗29歳4ヶ月埼玉県追手風平成24年1月
(2012年)
平成5年11月10日
(1993年)
令和4年9月
(2022年)
R4.9
(2022)
東前頭筆頭東前頭筆頭翔猿殊勲賞 [初]10勝5敗30歳5ヶ月東京都追手風平成27年1月
(2015年)
平成4年4月24日
(1992年)
令和4年5月
(2022年)
R4.5
(2022)
西小結西小結大栄翔殊勲賞 [5回目]11勝4敗28歳6ヶ月埼玉県追手風平成24年1月
(2012年)
平成5年11月10日
(1993年)
令和3年9月
(2021年)
R3.9
(2021)
西前頭4西前頭4大栄翔殊勲賞 [4回目]10勝5敗27歳10ヶ月埼玉県追手風平成24年1月
(2012年)
平成5年11月10日
(1993年)
令和3年5月
(2021年)
R3.5
(2021)
西前頭8西前頭8遠藤技能賞 [4回目]11勝4敗30歳7ヶ月石川県追手風平成25年3月
(2013年)
平成2年10月19日
(1990年)
令和3年1月
(2021年)
R3.1
(2021)
西前頭筆頭西前頭筆頭大栄翔
ダブル
殊勲賞 [3回目]13勝2敗
優勝
27歳2ヶ月埼玉県追手風平成24年1月
(2012年)
平成5年11月10日
(1993年)
技能賞 [初]
令和2年9月
(2020年)
R2.9
(2020)
東前頭14東前頭14翔猿敢闘賞 [初]11勝4敗28歳5ヶ月東京都追手風平成27年1月
(2015年)
平成4年4月24日
(1992年)
令和2年7月
(2020年)
R2.7
(2020)
東小結東小結大栄翔殊勲賞 [2回目]11勝4敗26歳8ヶ月埼玉県追手風平成24年1月
(2012年)
平成5年11月10日
(1993年)
令和2年1月
(2020年)
R2.1
(2020)
東前頭筆頭東前頭筆頭遠藤殊勲賞 [初]9勝6敗29歳3ヶ月石川県追手風平成25年3月
(2013年)
平成2年10月19日
(1990年)
令和元年11月
(2019年)
R1.11
(2019)
東前頭筆頭東前頭筆頭大栄翔殊勲賞 [初]8勝7敗26歳0ヶ月埼玉県追手風平成24年1月
(2012年)
平成5年11月10日
(1993年)
令和元年9月
(2019年)
R1.9
(2019)
東前頭14東前頭14剣翔敢闘賞 [初]10勝5敗28歳1ヶ月東京都追手風平成26年1月
(2014年)
平成3年7月27日
(1991年)
令和元年7月
(2019年)
R1.7
(2019)
西前頭2西前頭2遠藤技能賞 [3回目]10勝5敗28歳9ヶ月石川県追手風平成25年3月
(2013年)
平成2年10月19日
(1990年)
平成30年3月
(2018年)
H30.3
(2018)
東前頭筆頭東前頭筆頭遠藤技能賞 [2回目]9勝6敗27歳5ヶ月石川県追手風平成25年3月
(2013年)
平成2年10月19日
(1990年)
平成28年9月
(2016年)
H28.9
(2016)
東前頭14東前頭14遠藤技能賞 [初]13勝2敗25歳11ヶ月石川県追手風平成25年3月
(2013年)
平成2年10月19日
(1990年)
平成26年1月
(2014年)
H26.1
(2014)
西前頭10西前頭10遠藤敢闘賞 [初]11勝4敗23歳3ヶ月石川県追手風平成25年3月
(2013年)
平成2年10月19日
(1990年)
平成20年3月
(2008年)
H20.3
(2008)
西前頭5西前頭5黒海敢闘賞 [2回目]12勝3敗27歳0ヶ月ジョージア追手風平成13年5月
(2001年)
昭和56年3月10日
(1981年)
平成17年7月
(2005年)
H17.7
(2005)
東前頭6東前頭6黒海敢闘賞 [初]9勝6敗24歳4ヶ月ジョージア追手風平成13年5月
(2001年)
昭和56年3月10日
(1981年)
平成12年9月
(2000年)
H12.9
(2000)
西前頭2西前頭2追風海技能賞 [初]9勝6敗25歳2ヶ月青森県追手風平成10年3月
(1998年)
昭和50年7月5日
(1975年)

追手風部屋 三賞受賞回数ランキング

受賞回数は、1位が大栄翔で7回(殊勲賞5回・技能賞2回)、2位が遠藤で6回(殊勲賞1回・技能賞4回・敢闘賞1回)、3位が翔猿と黒海の2人で2回ずつとなっています。4位以下含む全順位の詳細は、以下の表をご覧ください。

順位 四股名 三賞
合計
技能賞 殊勲賞 敢闘賞 最高位 部屋 出身地
1位 大栄翔 7回 2 5 0 関脇 追手風 埼玉県
2位 遠藤 6回 4 1 1 小結 追手風 石川県
3位 翔猿 2回 0 1 1 小結 追手風 東京都
3位 黒海 2回 0 0 2 小結 追手風 ジョージア
5位 追風海 1回 1 0 0 関脇 追手風 青森県
5位 剣翔 1回 0 0 1 前頭6 追手風 東京都

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追手風部屋の最高位:関脇

追風海 直飛人

非凡なセンスを持っていたが度重なる怪我で引退

  • 四股名 :追風海 直飛人(はやてうみ なおひと)
  • 最高位 :関脇
  • 出身地 :青森県北津軽郡板柳町
  • 本 名 :齋藤 直飛人
  • 生年月日:昭和50年(1975)7月5日
  • 出身大学:日本大学
  • 所属部屋:追手風部屋
  • 改名歴 :齋藤⇒追風海
  • 初土俵 :平成10年(1998)3月・幕下60付出(22歳8ヵ月)
  • 新十両 :平成11年(1999)1月(23歳6ヵ月)
  • 新入幕 :平成12年(2000)3月(24歳8ヵ月)
  • 新三役 :平成12年(2000)11月(25歳4ヵ月)
  • 最終場所:平成18年(2006)1月(30歳6ヵ月)
  • 生涯戦歴:281勝223敗136休/498出場(48場所)
  • 生涯勝率:55.8%
  • 優勝等 :十両優勝1回(同点2)
  • 成 績 :技能賞1回
  • 幕内戦歴:126勝127敗77休(22場所)勝率:49.8%
  •   関脇:4勝5敗6休(1場所)勝率:44.4%
  •   前頭:122勝122敗71休(21場所)勝率:50.0%
  • 十両戦歴:120勝82敗38休(16場所)勝率:59.4%

大栄翔 勇人

大栄翔 勇人(だいえいしょう はやと)は埼玉県 朝霞市出身、追手風部屋の力士で最高位は関脇。令和8年5月場所の番付は東 前頭4枚目。

埼玉県朝霞市に生まれ、小学1年生の時に地元の相撲大会で優勝したことをきっかけに「入間少年相撲クラブ」で相撲を始めた。名門である埼玉栄高校へ進学すると相撲部でレギュラーとして活躍し、全国高校総体(インターハイ)での団体優勝などに貢献する実績を残した。

高校卒業を控えた平成24年(2012年)1月場所において、11代追手風(元前頭・大翔山)が率いる追手風部屋から初土俵を踏んだ。

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四股名の変遷とスピード出世

初土俵の場所は本名の「高西」で相撲を取ったが、翌3月場所から「大翔栄」へと改名した。この四股名は、師匠の現役時代の四股名である「大翔山」から「大翔」の2文字を、母校・埼玉栄高校から「栄」の字を頂いたものである。

しかし、「栄」の字が四股名の最後に来ると怪我をしやすいと言われ、実際に負傷を経験したこともあり、同年9月場所から文字の順番を入れ替えた現在の「大栄翔」へと改名している。

持ち味である強烈な突き押しを武器に着実に番付を上げ、初土俵から約2年半となる平成26年(2014年)7月場所において、20歳8ヶ月の若さで新十両へ昇進する。さらに、平成27年(2015年)9月場所では新入幕を果たし、幕内の土俵へと駆け上がった。

歴史的な幕内最高優勝と三役定着

幕内でも上位を脅かす存在として頭角を現し、令和2年(2020年)1月場所で新小結へ昇進して新三役の座を掴むと、同年9月場所では新関脇へと昇進した。

土俵人生における大きな飛躍となったのが、西前頭筆頭の地位で迎えた令和3年(2021年)1月場所である。役力士を次々と撃破して13勝2敗の好成績を収め、殊勲賞と技能賞をダブル受賞するとともに、自身初となる幕内最高優勝を飾った。埼玉県出身力士による幕内最高優勝は、大相撲史上初となる歴史的な快挙であった。

上位戦線での活躍

その後も三役の常連として長く活躍し、突き押し相撲の威力を発揮し続けている。令和5年(2023年)3月場所では12勝3敗の成績を挙げて優勝決定戦に進出し、惜しくも敗れて優勝同点となった。ほかにも、令和4年(2022年)5月場所や令和6年(2024年)5月場所、令和7年(2025年)1月場所で優勝力士に次ぐ好成績を残すなど、常に上位戦線で土俵を沸かせている。

令和7年(2025年)7月場所の全休により長年守り続けた三役から陥落したものの、令和8年(2026年)に入ってからも横綱から連続して金星を獲得するなど、その地力は健在である。現在も突き押し相撲に磨きをかけ、さらなる高みを目指して激闘を続けている。

💡 埼玉県出身一覧💡 追手風部屋の力士

四股名
大栄翔 勇人(だいえいしょう はやと)
最高位
関脇
最新番付
東 前頭4枚目
出身地
埼玉県 朝霞市
本名
高西 勇人
生年月日
平成5年(1993)11月10日(32歳)
身長・体重
183cm・166kg
出身高校
埼玉栄高校
所属部屋
追手風部屋
改名歴
高西⇒大翔栄 → 大栄翔
初土俵
平成24年(2012)1月(18歳2ヵ月)
新十両
平成26年(2014)7月(20歳8ヵ月)
新入幕
平成27年(2015)9月(21歳10ヵ月)
新小結
令和2年(2020)1月(26歳2ヵ月)
新関脇
令和2年(2020)9月(26歳10ヵ月)
優勝
幕内優勝1回,十両優勝1回,三段目優勝1回,序ノ口優勝1回
受賞・金星
殊勲賞5回,技能賞2回,金星6個
通算成績
631勝515敗17休/1145出場(勝率:55.1%)
直近7場所
48勝42敗15休
7場所勝率
53.3%
得意技
突き・押し
決まり手傾向(直近7場所)
大栄翔が勝ちの決まり手(41勝)※不戦勝1含む
叩き込み11
突き出し9
押し出し7
突き落とし6
送り倒し2
突き倒し1
その他4
大栄翔が負けの決まり手(34敗)
押し出し10
突き落とし5
突き出し4
叩き込み4
寄り切り4
引き落とし2
その他5
令8年5月
東 前頭4枚目(変動なし)
7勝8敗
○○●●●|●●○●○|○●●○○
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令8年3月
東 前頭4枚目(変動なし)
7勝8敗(金星)
●●●○○|○●○●●|●○○□●
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令8年1月
東 前頭4枚目(6枚上昇)
7勝8敗(金星)
○●●●●|●●○○○|●○○●○
取組詳細(対戦相手・決まり手)

▼ さらに過去の成績(4場所分)を見る
令7年11
東 前頭10枚目(変動なし)
10勝5敗
○●●○○|○○●●○|●○○○○
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令7年9月
東 前頭10枚目(11枚降下)
7勝8敗
○●●●●|●○●○○|○○●●○
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令7年7月
東 関脇(変動なし)
0勝0敗15休
休場
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令7年5月
東 関脇
10勝5敗
○○○○○|●●○●○|○○●●○
取組詳細(対戦相手・決まり手)

追手風部屋の最高位:小結

黒海 太

史上初となるヨーロッパ出身力士、日本での活躍により本国から勲章を授与される

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  • 四股名 :黒海 太(こっかい ふとし)
  • 最高位 :小結
  • 出身地 :グルジア(ジョージア)・トビリシ市
  • 本 名 :レヴァン・ツァグリア
  • 生年月日:昭和56年(1981)3月10日
  • 所属部屋:追手風部屋
  • 初土俵 :平成13年(2001)5月(20歳2ヵ月)
  • 新十両 :平成15年(2003)5月(22歳2ヵ月)
  • 新入幕 :平成16年(2004)1月(22歳10ヵ月)
  • 新三役 :平成18年(2006)9月(25歳6ヵ月)
  • 最終場所:平成24年(2012)9月(31歳6ヵ月)
  • 生涯戦歴:446勝458敗10休/902出場(68場所)
  • 生涯勝率:49.3%
  • 優勝等 :幕内次点1回,十両優勝1回,幕下優勝1回,三段目優勝1回,序二段優勝1回
  • 成 績 :敢闘賞2回,金星2個
  • 幕内戦歴:312勝363敗(45場所)勝率:46.2%
  •   小結:11勝19敗(2場所)勝率:36.7%
  •   前頭:301勝344敗(43場所)勝率:46.7%
  • 十両戦歴:77勝75敗10休(11場所)勝率:50.7%

遠藤 聖大

遠藤 聖大 (えんどう しょうた)石川県鳳珠郡穴水町出身、追手風部屋の元力士で、最高位は小結

平成25年(2013)3月場所に22歳4ヶ月で初土俵を踏み、令和7年(2025)9月場所を最後に引退(34歳10ヶ月)※番付上は令和7年(2025)11月場所

通算成績は527勝494敗88休1011出場。生涯勝率.521。通算75場所中、38場所を勝ち越した(勝ち越し率.507)。

主な成績は幕内(次点2)、十両優勝1回殊勲賞1回、敢闘賞1回、技能賞4回、金星7個(鶴竜4個、白鵬2個、稀勢の里1個)

平成2年(1990)10月19日生まれ。本名は遠藤 聖大。

端正な顔立ちと、左四つ右上手を取る理にかなった正攻法の相撲で「遠藤フィーバー」を巻き起こし、長く土俵を沸かせた元小結・遠藤。度重なる両膝の大怪我に苦しめられながらも、自身の美学からサポーターを一切巻かずに幕内の土俵に立ち続け、金星7個、三賞6回という実績を残した。本名を四股名として貫き、多くの相撲ファンに愛された名力士である。

怪我を乗り越えたアマチュア2冠と、本名での新十両

石川県に生まれ、小学1年生から相撲を始めた。相撲の名門である金沢学院東高校(現・金沢学院大学附属高校)から日本大学へと進学した。大学3年次に右膝靭帯損傷の大怪我を負うも、それを乗り越えて4年次に全日本相撲選手権大会および国民体育大会の個人戦で優勝し、アマチュア横綱と国体横綱の2冠を達成した。これにより、史上2人目となる幕下10枚目格付出の資格を得て追手風部屋へと入門した。

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平成25年(2013年)3月場所で本名の「遠藤」として初土俵を踏むと、所要2場所で新十両へと昇進。新十両場所となる7月場所では14勝1敗の好成績で十両優勝を果たした。新十両での14勝は、実に63年ぶり史上2人目の快挙であった。

最速新入幕と「遠藤フィーバー」

勢いそのままに、初土俵から史上最速となる所要3場所での新入幕を果たした。勝ち続けている流れを変えないため、四股名は付けずに本名での入幕となった。

新入幕後、その容姿と美しい四つ相撲は瞬く間にファンの心を掴み、一大相撲ブームの牽引役となる。取組には連日多数の懸賞金が懸けられ、平成26年(2014年)5月場所では横綱・鶴竜から自身初となる金星を獲得した。

大怪我との闘いと、サポーターを巻かない美学

順風満帆に見えたが、平成27年(2015年)3月場所で左膝半月板および前十字靱帯損傷という重傷を負った。周囲からは「終わった」との声も挙がったが、本人は手術を回避し、すり足や四股などの基礎運動で地道に感覚を取り戻して土俵へ復帰した。

慢性的な故障を抱えながらも「気休めにしかならないし、邪魔。自分から体にメスを入れることを許したくない」とテーピングやサポーターを一切巻かずに生身で土俵に立ち続けた。平成28年(2016年)9月場所では13勝2敗の好成績で自身初の技能賞を獲得した。平成30年(2018年)5月場所において、新三役となる小結昇進を果たした。

右膝の手術と現役引退、親方としての道へ

その後も平幕上位から中位の番付で存在感を示し、通算7個の金星を獲得した。しかし、長年の激闘によるダメージが蓄積し、令和7年(2025年)夏、ついに右膝の手術に踏み切った。これにより7月場所と9月場所を連続で全休した。

関取の地位から幕下への陥落が決まった同年11月場所を前に、ついに現役引退を決断した。幕内在位69場所、通算勝利数527勝の足跡を残し、引退後は年寄「北陣」を襲名した。本名のまま駆け抜けた12年半の土俵人生に幕を下ろし、自らの豊富な経験と技術を後進へ伝えるべく、親方としての新たな道を歩み始めた。

四股名
遠藤 聖大 (えんどう しょうた)
最高位
小結
年寄名跡
23代北陣 聖大(追手風)
出身地
石川県鳳珠郡穴水町
本名
遠藤 聖大
生年月日
平成2年(1990)10月19日(35歳)
出身高校
金沢学院東高校
出身大学
日本大学
所属部屋
追手風部屋
改名歴
遠藤 聖大
初土俵
平成25年(2013)3月 幕下10枚目付出(22歳4ヶ月)
新十両
平成25年(2013)7月(所要2場所)
22歳8ヶ月(初土俵から0年4ヶ月)
新入幕
平成25年(2013)9月(所要3場所)
22歳10ヶ月(初土俵から0年6ヶ月)
新小結
平成30年(2018)5月(所要31場所)
27歳6ヶ月(初土俵から5年2ヶ月)
最終場所
令和7年(2025)9月場所(34歳10ヶ月)※番付上は令和7年(2025)11月場所
大相撲歴
75場所(12年6ヶ月)
通算成績
527勝494敗88休1011出場(勝率.521)
通算75場所
勝ち越し38場所(勝ち越し率.507)(勝ち越し星152)
優勝等
幕内(次点2),十両優勝1回
受賞・金星
殊勲賞1回,敢闘賞1回,技能賞4回,金星7個(鶴竜4個、白鵬2個、稀勢の里1個)
持給金
149円(勝ち越し星152個 金星7個)
幕内戦歴
480勝482敗73休952出場(勝率.504)
在位69場所(在位率.920)
勝ち越し33場所(勝ち越し率.478)
三役戦歴
28勝42敗5休68出場(勝率.412)
在位5場所(在位率.067)
勝ち越し1場所(勝ち越し率.200)
小結戦歴
28勝42敗5休68出場(勝率.412)
在位5場所(在位率.067)
勝ち越し1場所(勝ち越し率.200)
前頭戦歴
452勝440敗68休884出場(勝率.511)
在位64場所(在位率.853)
勝ち越し32場所(勝ち越し率.500)
十両戦歴
37勝8敗15休45出場(勝率.822)
在位4場所(在位率.053)
勝ち越し3場所(勝ち越し率.750)
関取戦歴
517勝490敗88休997出場(勝率.519)
在位73場所(在位率.973)
勝ち越し36場所(勝ち越し率.493)
幕下以下歴
10勝4敗0休14出場(勝率.714)
在位2場所(在位率.027)
勝ち越し2場所(勝ち越し率1.000)

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  • ✅ 勝った決まり手1位:寄り切り(186回 / 35.3%)
  • ✅ 負けた決まり手1位:押し出し(131回 / 26.5%)
  • ✅ 得意な相手:徳勝龍(11勝0敗 / 勝率1.000)
  • ✅ 苦手な相手:白鵬(2勝14敗 / 勝率.125)

翔猿 正也

翔猿 正也(とびざる まさや)は東京都 江戸川区出身、追手風部屋の力士で最高位は小結。令和8年5月場所の番付は東 前頭15枚目。

東京都江戸川区に生まれ、江戸川区立上一色小学校1年の頃に、兄(のちの前頭6枚目・英乃海)が通っていた台東区立小松竜道場へついて行ったことをきっかけに相撲を始めた。幼少期は野球など他のスポーツにも親しみプロ野球選手や保育士を志した時期もあったが、葛飾区立大道中学校へ進学するとともに葛飾白鳥相撲教室へと移籍し、全国中学校相撲選手権大会で団体優勝したことで相撲の楽しさに目覚める。埼玉栄高校を経て日本大学へと進学し、3年次には団体優勝に貢献したが、右足首の骨折により1年間相撲が取れない苦労も味わった。

追手風部屋入門と兄弟関取

大学時代に満足のいく結果を残せなかったことからプロ入りを決意する。すでに木瀬部屋に入門して関取となっていた兄と同じ部屋では甘えが出ると考え、大学の先輩である遠藤(のちの小結)や、幼馴染の剣翔(のちの前頭6枚目)が所属する追手風部屋へ入門し、平成27年(2015年)1月場所において初土俵を踏んだ。

幕下の土俵で地力を蓄え、平成29年(2017年)7月場所において新十両への昇進を決める。別々の部屋に入門した兄弟が同時に十両以上の番付に在位するのは、大相撲史上3組目の事例であった。この関取昇進を機に、本名から「翔猿」へと改名した。この四股名は、師匠である11代追手風(元前頭・大翔山)の四股名から「翔」の一字を頂き、自身が申年生まれであることと、猿のように土俵上を素早く動き回る自身の相撲スタイルに由来する。昇進時には「他の力士がまねできない速い相撲を取りたい」と意気込みを語った。

新入幕と「猿からゴリラへ」

十両の土俵で実力を磨き、令和2年(2020年)9月場所において新入幕を果たした。新入幕会見では「相手を翻弄して速い相撲、トリッキーな相撲を見せたい」と語り、その言葉通りに持ち味を存分に発揮して11勝4敗の好成績を収め、自身初となる敢闘賞を受賞する活躍を見せた。

その後も幕内の土俵で存在感を示し、東前頭筆頭で迎えた令和4年(2022年)9月場所では横綱・照ノ富士を破り自身初となる金星を獲得する。この場所を10勝5敗で終えて殊勲賞を受賞し、続く同年11月場所において念願の新三役となる小結へ昇進した。初土俵から所要46場所での三役昇進について「少しずつコツコツやってきたので、それが実った」と実感を込めつつ、「翔猿からゴリラになるように、もっとパワーをつけたい」「ただ食べて太るのではなく鍛えて太りたい」とさらなる進化への意欲を見せた。

機動力を生かした相撲

幕内の中では決して大きな体格ではないものの、四股名の通り土俵を縦横無尽に素早く動き回る機動力と敏捷性を最大の武器としている。一方で上位陣とも真っ向から組み合う力強さも増しており、令和5年(2023年)7月場所では照ノ富士と56秒に及ぶ長い相撲の末に寄り切りで2つ目の金星を獲得し、「極度の疲労により視界がおぼつかなかった」と死闘を振り返っている。相手を翻弄する軽快な立ち回りと鍛え上げたパワーを融合させ、最高峰の土俵において上位陣を幾度となく苦しめる個性的な相撲を展開している。

💡 東京都出身一覧💡 追手風部屋の力士

四股名
翔猿 正也(とびざる まさや)
最高位
小結
最新番付
東 前頭15枚目
出身地
東京都 江戸川区
本名
岩崎 正也
生年月日
平成4年(1992)4月24日(34歳)
身長・体重
173cm・140kg
出身高校
埼玉栄高校
出身大学
日本大学
所属部屋
追手風部屋
改名歴
岩崎 → 翔猿
初土俵
平成27年(2015)1月(22歳9ヵ月)
新十両
平成29年(2017)7月(25歳3ヵ月)
新入幕
令和2年(2020)9月(28歳5ヵ月)
新小結
令和4年(2022)11月(30歳7ヵ月)
優勝
無し
受賞・金星
殊勲賞1回,金星3個
通算成績
448勝417敗4休/862出場(勝率:52%)
直近7場所
47勝56敗2休
7場所勝率
46.1%
得意技
押し
決まり手傾向(直近7場所)
翔猿が勝ちの決まり手(38勝)
寄り切り8
叩き込み7
引き落とし5
押し出し5
掬い投げ2
寄り倒し2
その他9
翔猿が負けの決まり手(50敗)※不戦敗1含む
押し出し15
寄り切り13
叩き込み5
突き落とし3
押し倒し3
掬い投げ2
その他8
令8年5月
東 前頭15枚目(2枚降下)
9勝6敗
○○○●○|○○○●○|○●●●●
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令8年3月
東 前頭13枚目(変動なし)
6勝9敗
●●○●●|●○●○●|○●○○●
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令8年1月
東 前頭13枚目(3枚半降下)
7勝8敗
○●●●●|●●○●○|○○●○○
取組詳細(対戦相手・決まり手)

▼ さらに過去の成績(4場所分)を見る
令7年11
西 前頭9枚目(5枚半上昇)
6勝9敗
○●●○●|○●○●●|●○○●●
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令7年9月
東 前頭15枚目(8枚降下)
9勝6敗
○○●○●|○○○●○|●●●○○
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令7年7月
東 前頭7枚目(半枚降下)
3勝10敗2休
●●○○●|●●○●●|●●■やや
取組詳細(対戦相手・決まり手)

令7年5月
西 前頭6枚目
7勝8敗
●○○○●|○●●○●|○●●○●
取組詳細(対戦相手・決まり手)

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追手風部屋の歴代師匠

第11代・追手風 直樹 (元前頭2枚目・大翔山)

在任期間(平成10年(1998年)10月1日~  )

大翔山 直樹(だいしょうやま なおき)石川県鳳珠郡穴水町出身、立浪部屋の元力士で、最高位は前頭2枚目

平成元年(1989)1月場所に22歳6ヶ月で初土俵を踏み、平成7年(1995)11月場所を最後に引退(29歳4ヶ月)。

通算成績は266勝252敗35休517出場。生涯勝率.514。通算42場所中、24場所を勝ち越した(勝ち越し率.571)。

主な成績は幕内次点1回,十両優勝1回幕下優勝2回敢闘賞1回,金星3個(北勝海2個、大乃国1個)。

昭和41年(1966)7月7日生まれ。本名は山崎 直樹。

自身の母校である日大出身力士を多数率いて部屋は隆盛を極める。

年寄
11代・追手風 直樹
四股名
大翔山 直樹(だいしょうやま なおき)
最高位
前頭2枚目
年寄名跡
12代中川 直樹 → 11代追手風 直樹
出身地
石川県鳳珠郡穴水町
本名
山崎 直樹
生年月日
昭和41年(1966)7月7日(59歳)
出身高校
金沢高校
出身大学
日本大学
所属部屋
立浪部屋
改名歴
山崎 直樹 → 大翔山 直樹 → 大翔山 直生 → 大翔山 裕康 → 大翔山 直樹
初土俵
平成元年(1989)1月 幕下60枚目格付出(22歳6ヶ月)
新十両
平成2年(1990)5月(所要8場所)
23歳10ヶ月(初土俵から1年4ヶ月)
新入幕
平成2年(1990)9月(所要10場所)
24歳2ヶ月(初土俵から1年8ヶ月)
最終場所
平成7年(1995)11月(29歳4ヶ月)
大相撲歴
42場所(6年10ヶ月)
通算成績
266勝252敗35休517出場(勝率.514)
通算42場所
勝ち越し24場所(勝ち越し率.571)
優勝等
幕内次点1回,十両優勝1回幕下優勝2回
受賞・金星
敢闘賞1回,金星3個
前頭戦歴
153勝176敗1休328出場(勝率.465)
在位22場所(在位率.524)
勝ち越し12場所(勝ち越し率.545)
十両戦歴
75勝60敗30休135出場(勝率.556)
在位11場所(在位率.262)
勝ち越し5場所(勝ち越し率.455)
関取戦歴
228勝236敗31休463出場(勝率.491)
在位33場所(在位率.786)
勝ち越し17場所(勝ち越し率.515)
幕下以下歴
38勝16敗4休54出場(勝率.704)
在位9場所(在位率.214)
勝ち越し7場所(勝ち越し率.778)


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カテゴリー : 時津風一門

公開日:2018-08-19
投稿者:レイ

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