大相撲中継で「荒れる春場所」や「就職場所」という言葉を聞いたことはありませんか?
今回は、毎年3月に開催される大相撲の本場所「春場所(はるばしょ)」について、その正式名称や歴史、そして特徴的な2つの別名の由来について詳しく解説します。
春場所(三月場所・大阪場所)とは
大相撲における「春場所(はるばしょ)」とは、毎年3月に大阪(大阪府立体育会館/現・エディオンアリーナ大阪)で開催されている地方本場所のことを指す俗称(愛称)です。
日本相撲協会が定める現在の正式な名称は「三月場所(さんがつばしょ)」ですが、厳しい冬を越えて季節の訪れを告げる「春場所」、あるいは開催地にちなんだ「大阪場所」という呼び名で広く親しまれています。
昭和28年(1953年)の3月から、正式に大阪での開催が年間の本場所の一つとして加えられ、現在に至るまで関西の相撲ファンを熱狂させています。
波乱含みの「荒れる春場所」
三月場所は、横綱や大関といった優勝候補の上位陣が、序盤戦で格下の相手に思わぬ敗戦(星を落とす)を喫するなど、波乱が起きやすい場所とされており、俗に「荒れる春場所」と表現されることがよくあります。
なぜ「荒れる」と言われるのか明確な根拠はありませんが、古くから相撲界では以下のような理由が推測されてきました。
- 寒暖差による体調管理の難しさ: 3月は「三寒四温」と言われるように気温の変化が激しく、力士が15日間を通してコンディションを維持するのが非常に難しい季節であるという説。
- 昔の土俵の「土質」の違い: かつて地方場所では、東京(国技館)の土俵に使われる粘り気のある「荒木田(あらきだ)の土」とは違う、大阪の現地の土を使って土俵を作っていました。そのため土俵が滑りやすく、足元の感覚が狂って思わぬ逆転劇が起きやすかったという説。
しかし、現在では地方場所の土俵づくりにも、東京と同じ荒木田の土をわざわざ運んで使用しているため、土質による有利不利の差はほぼなくなっています。
また、近年の取組データを分析すると「春場所だからといって特別に上位陣の負けが多いわけではない」という見方もあります。現在では一種のジンクスや、ファンがドラマチックな展開を期待する「大相撲の風物詩」として楽しまれている側面も強いようです。
もう一つの別名「就職場所」
春場所には、もう一つ「就職場所」という面白い俗称があります。
3月という開催時期は、ちょうど中学校や高校、大学などを卒業見込みの若者たちが、新しい道へと進むタイミングと重なります。そのため、新弟子検査を受験して初土俵を踏む(相撲界に就職する)若者が1年の中で最も多くなることから、このような別名がつけられました。
未来の横綱を目指す多くの新弟子たちが、一斉に前相撲を取る初々しい姿を見られるのも、春場所ならではの大きな魅力です。
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