大相撲用語解説。今回は「朝稽古(あさげいこ)」について解説します。
力士の稽古といえば早朝のイメージがありますが、実は相撲界では普段あまり使われない言葉だということをご存知でしょうか。
朝稽古(あさげいこ)とは
朝稽古(あさげいこ)とは、その名の通り朝に行われる稽古のことですが、大相撲の世界において、普段の相撲部屋での稽古に対して「朝稽古」という言い方はあまりしません。
なぜなら、力士の稽古は早朝から午前中にかけて行われるのがごく当たり前の日常であり、わざわざ「朝」とつける必要がないからです。部屋の中では単に「稽古」と呼ばれています。
相撲部屋の過酷な朝(稽古のスケジュール)
普段の相撲部屋での稽古は、まだ薄暗い早朝から始まります。番付が下の若い衆から順に土俵に降りて基礎運動(四股やすり足など)を行い、時間が経つにつれて関取(十両以上)が合流して実戦的な申し合い稽古へと移行していくのが一般的な流れです。そして午前中のうちには稽古が終了し、入浴を済ませてから食事(ちゃんこ)となります。
なぜ朝食を食べずに稽古をするのか?
力士たちは朝起きると、朝食をとらずに空腹のまま激しい稽古を行います。
これには、満腹の状態で激しく体がぶつかり合うと胃の内容物を吐き戻してしまう危険があるためだとも言われています。また、極限まで空腹になった状態でちゃんこを大量に食べ、すぐに昼寝をすることで、栄養の吸収率を高めて大きく強い体を作るという、相撲界ならではの合理的な体づくりの一環でもあるようです。
「朝稽古」という言葉が使われる場面
では、どのような時にあえて「朝稽古」という言葉が使われるのでしょうか。
それは主に地方巡業のときです。巡業の取組表(プログラム)には、「〇〇時より朝稽古」といったようにスケジュールの一つとして記載されることがあります。
これは、普段は見ることができない力士たちの稽古の様子を観客に公開し、楽しんでもらうためのイベントとしての意味合いが含まれているためです。本場所の真剣勝負とは一味違う、力士同士のぶつかり合いや和やかな表情などが見られる朝稽古の時間は、巡業を訪れるファンにとって大きな醍醐味の一つとなっています。
「朝稽古」のまとめ
相撲部屋の日常である早朝からの稽古は、単に「稽古」と呼ばれます。幕下以下の若い衆から始まり、関取が合流して激しさを増すこの稽古は、朝食をとらずに行うのが伝統です。「朝稽古」という言葉は主に巡業の公開イベントとして使われることが多いので、もし巡業に行く機会があれば、普段は見られない貴重な稽古風景にぜひ注目してみてください。
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