大相撲の「差し違え」とは?行司への罰則や進退伺い、反則時の判定ルールを解説

大相撲中継を見ていると、土俵下の審判から物言いがつき「行司差し違え」という言葉を耳にすることがありますよね。

今回は、この「差し違え(さしちがえ)」の正しい意味や、勝負を裁く行司に与えられる厳しい罰則について分かりやすく解説していきます。

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差し違え(さしちがえ)とは

差し違え(さしちがえ)とは、大相撲において行司が勝負の判定を誤り、本来であれば敗者である力士に軍配を上げることです。

行司の判定に対して土俵下の審判委員、または控え力士が物言いをつけ、審判委員が協議した結果、行司の判定がくつがえされると差し違えとなります。

正面の審判長が「行司差し違え」を発表すると、土俵上では行司が正しい勝ち力士に軍配を上げ直すことになります。

力士の勝ち負けのことを白星、黒星と言いますが、この差し違えは行司にとってある意味での負けであることから、俗に「行司黒星」とも呼ばれています。

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反則を誤った場合も差し違えになる?

大相撲の規則として、行司は必ずどちらかの力士に軍配を上げねばならないとされています。つまり行司には「同体(引き分け)」という判定は下せないルールになっています。

また、行司は禁手・反則の有無を判断することは出来ません。これを取り上げるには、審判委員(または控え力士)の「物言い」が必要になります。

つまり、取組の最中に反則や禁手があったとしても、行司はそこで取組を止めることはありません。取組はそのまま続くことになり、土俵を割るなどして勝敗を決したときにしか行司は軍配を上げることが出来ないのです。もしこのときの勝ち力士が反則を犯していたとしても、行司はそのまま軍配を上げることになります。

では、その後「物言い」が付き、正しい勝ち力士が決まった場合に「行司差し違え」となるのでしょうか?

結論から言うと、これは「行司差し違え」とはなりません。なぜなら、行司には禁手・反則の有無を判定する権限はないからです。権限を持たない行司が取組の流れに従って軍配を上げた結果ですので、それが反則による勝敗と違っていても「差し違え」には当たらないというわけです。

差し違えによる行司への罰則・処分

かつては年功序列で昇進を重ねていた行司ですが、現在は(原則的には)成績評価基準に基き昇格・降格が決められています。

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  • 土俵上の勝負判定の良否
  • 土俵上の姿勢態度の良否
  • 土俵上のかけ声、声量の良否
  • 指導力の有無
  • 日常の勤務、操行の状況
  • 其の他行司実務の優劣

差し違えは、この評価基準のなかの「土俵上の勝負判定の良否」にあたります。

規定によると、幕下格行司および十両格行司は年9回以上幕内格行司および三役格行司は年6回以上差し違えをすると一枚降格の処分となります。

また、1場所で3回以上差し違えをした場合には無条件で一枚降格処分となることが原則となっていますが、これについては情状酌量されることもあるようです。

立行司の「進退伺い」とは

行司の最高位である「立行司(木村庄之助・式守伊之助)」に関してはこの成績考課からは除外されており、自己責任においてその進退が委ねられています。

もし立行司に差し違えがあった場合には、立行司はその日のうちに審判長と行司監督を伴って、理事長に対して口頭で自らの進退を伺うことになっています。

「進退伺い」というと非常に物々しいですが、現在ではこれは一種の慣例・けじめとなっており、実際にこれが受理されて即座に退職させられた例はありません。

「差し違え」のまとめ

「差し違え」とは、行司が勝負の判定を誤り、本来負けた力士に軍配を上げてしまうことです。行司にとっては成績評価に直結する重いミスであり、一定回数重なると降格処分となるなど、厳しい罰則が設けられています。次に「行司差し違え」の場面を見たときは、行司の責任の重さにも思いを馳せてみてください。


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