大相撲中継の解説で、「今の差し手は浅いですね」といった言葉を聞いたことはありませんか?
今回は、力士の攻防を語る上で欠かせない「浅い(あさい)」という言葉の2つの意味と、その体勢をとるメリットについて解説します。
相撲用語の「浅い(あさい)」とは
大相撲における「浅い」という言葉には、大きく分けて「腕の差し方」と「廻しの取り方」の2つの技術的な意味合いがあります。
①浅く差す(腕の差し方)
相手の脇の下に腕(下手)を差し入れる際、深く奥まで入れず、肘(ひじ)から先くらいまでを短く差し入れた体勢になることを「浅く差す」と言います。
両手とも浅く差した状態を「浅い両差し」と呼ぶこともあります。
ちなみに、対義語は「深い」です。「深く差す」とは、差し手が相手の背中のほうまで回り、自分の肩が相手に密着するほど奥深くまで腕を差し入れる体勢を指します。相手の懐に食いつくように深く入り込む状態です。
②浅く引く(廻しの取り方)
相手の廻し(まわし)を取る際、背中側の奥の方ではなく、お腹側(結び目から前部のあたり)を掴んで引くことを「浅く引く」と言います。
あえて「浅い」体勢をとるメリット
相撲において、深くガッチリと組み合った方が有利に思えるかもしれませんが、あえて「浅い」体勢をとることには大きな技術的メリットがあります。
腕を浅く差したり、廻しを浅く引いたりすることで、自分と相手の体が密着しすぎず、適度な距離(遊び)が生まれます。これにより、次の技への変化に素早く移行でき、相手の突然の攻めにも対応しやすくなるのです。
また、自分が「浅い両差し」の体勢になれば、外側から抱え込む相手の腕(上手)も必然的に浅くなるため、相手に十分な体勢を許さないという防御面の効果も期待できます。
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