大相撲の「太鼓」の種類とは?櫓太鼓・寄せ太鼓(朝太鼓)・跳ね太鼓・触れ太鼓を解説

大相撲の会場やテレビ中継から聞こえてくる、小気味よい「太鼓」の音色。

この太鼓を打つのは相撲の進行役である「呼出(よびだし)」の重要な仕事の一つですが、実は打つタイミングや場所によって名前やリズム、そして込められた意味が全く異なるのをご存知でしょうか。

今回は、大相撲に欠かせない太鼓の種類(櫓太鼓、寄せ太鼓、朝太鼓、跳ね太鼓、触れ太鼓)について詳しく解説します。

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櫓の上で打つ「櫓太鼓(やぐらだいこ)」

大相撲の本場所が開催されている会場(国技館など)の入り口付近には、高さ16メートルほどの高い「櫓(やぐら)」が組まれています。
この高い場所から、世間に広く相撲の開催を知らせるために打たれる太鼓の総称を「櫓太鼓(やぐらだいこ)」と呼びます。

ちなみに、東京・両国国技館の櫓は常設で中にエレベーターが完備されていますが、地方場所の仮設の櫓はハシゴで昇り降りするため、特に重い太鼓を上げ下げする時はかなり怖いという呼出の裏話もあります。

櫓太鼓には、打つ時間帯によって「寄せ太鼓(朝太鼓)」「跳ね太鼓」の2種類があります。

①客を呼ぶ「寄せ太鼓(朝太鼓)」

本場所中の毎朝(現在は午前8時頃)に打たれる太鼓で、「寄せ太鼓(よせだいこ)」または「朝太鼓(あさだいこ)」と呼ばれます。

これは、お客様に「本日は相撲をやっていますから、ぜひ来てください」と来場を勧める(客を寄せる)意味が込められています。
そのため、太鼓のリズムも「どんと来い、どんと来い」とお客様を歓迎して招き入れるような明るい響きで打たれます。

②明日を願う「跳ね太鼓(はねだいこ)」

その日の全取組が終わり(弓取式が終了した直後)、お客様が帰路につく際に打たれるのが「跳ね太鼓(はねだいこ)」です。

この太鼓には「明日もまた来てください」という願いが込められています。
リズムは「てんでんばらばら、てんでんばらばら」と聞こえ、お客様が各地へ散っていく様子を表しているとも言われています。帰り道を急ぐような、少しアップテンポで軽快なリズムが特徴です。

※千秋楽には「跳ね太鼓」は打たない

跳ね太鼓には「明日も来てください」という意味があるため、翌日に相撲がない場所最終日(千秋楽)の終わりには打たれないという非常に粋なルールがあります。

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街を練り歩く「触れ太鼓(ふれだいこ)」

本場所が始まる初日の「前日」にのみ打たれる特別な太鼓が「触れ太鼓(ふれだいこ)」です。

テレビや新聞がなかった江戸時代に、相撲の始まりを街中に宣伝するためのツールとして使われていた恒例行事の名残です。

初日前日に行われる「土俵祭」の最後に、2基の太鼓が土俵を3周してからそのまま街へ出発していきます。実際にはルートごとに何班かに分かれており、呼出たちが太鼓を担いで各相撲部屋や贔屓筋(ひいきすじ)、街中を練り歩きます。(呼出だけでは人数が足りない時は、太鼓を担ぐアルバイトを雇うこともあるそうです)

太鼓の音とともに、
「相撲は明日が初日じゃぞえ〜、〇〇海に〇〇山じゃぞえ〜、御油断(ごゆだん)では詰まりますぞえ〜」
といった独特の口上(こうじょう)で、初日の中入り後の取組を順に披露し、いよいよ明日から大相撲が開幕することを世間に触れ回ります。

まとめ:楽譜のない呼出の職人技

朝一番に客を呼ぶ「寄せ太鼓(朝太鼓)」、一日の終わりを告げて明日を願う「跳ね太鼓」、そして場所の開幕を街に知らせる「触れ太鼓」。

驚くべきことに、これらの太鼓には「楽譜」が一切存在しません。すべて先輩の呼出が打つ音を耳で聞き、体で覚えて受け継がれてきた職人技なのです。大相撲を観戦する際は、土俵上の熱戦だけでなく、呼出たちが奏でるこの伝統の音色にもぜひ耳を傾けてみてください。


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