相撲において「頭(あたま)」の使い方は、勝敗を分ける非常に重要なポイントです。
今回は、大相撲の解説などでよく使われる「頭」にまつわる3つの専門用語(頭が上がる、頭で当たる、頭四つ)の意味と、その技術的な奥深さについて解説します。
頭が上がる(あたまがあがる)
大相撲において「頭が上がる」とは、相手の胸部などに押しつけていた自分の頭が、相手に起こされたり息が苦しくなったりして上に上がり、相手の肩の上に顔を出してしまう状態を指します。
相撲の基本は、顎(あご)を引き、低い姿勢を保つことです。「頭が上がる」と重心が浮いてしまい、相手に容易に廻し(まわし)を引かれてしまいます。そのまま胸が合ってしまうと、体格差や筋力差のある相手にはがっぷり四つで圧倒されてしまうため、非常に不利な体勢と言えます。(関連用語:顎が上がる)
頭を下げる(あたまをさげる)
「頭が上がる」の反対で、「頭を下げる」とは、顎をしっかりと引き、低い体勢を保ったまま頭から相手にぶつかっていくことを指します。相撲の攻防の基本となる非常に重要な姿勢です。
頭をつける(あたまをつける)
対戦中に、「自分の頭(または額)を相手の胸部につけること」を指します。
自分の体勢を低く保ちつつ、下から押し上げて相手の体を起こさせる(重心を浮かせ、上体を立たせる)ための極めて有効な技術です。小兵力士が大型力士と戦う際などに、この「頭をつける」体勢をいかにキープできるかが勝負の鍵を握ることがよくあります。
頭で当たる(あたまであたる)
立ち合いで、相手の胸部などをめがけて頭から激しくぶつかっていくことを「頭で当たる」と言います。
ちなみに相撲界では、一般的に使われる「頭突き」という表現は好まれず、「頭で当たる」や「ぶちかます(ぶちかまし)」と表現するのが普通です。
「額(ヒタイ)」か「頭のてっぺん」か
この「頭で当たる(ぶちかます)」動作には、極めて重要な技術的セオリーがあります。それは「真っすぐに額(ヒタイ)で当たれ」というものです。
一気に勝負を決めようとして「頭のてっぺん」から突っ込んでしまうと、首が下を向いて目線が落ちてしまい、相手の動きが視野から消えてしまいます。これでは、相手にとっさに横へ変化されたり、いなされたりした時に対応できず、バッタリと倒れ込んで自滅する危険が高まります。
一方、セオリー通りに「額(ヒタイ)」で当たれば、顎が引けた状態で相手をしっかりと視野に入れることができ、相手の動きに瞬時に対応しやすくなります。さらに、下から上へと相手の重心を浮かせることができるため、攻防において圧倒的に有利に立つことができるのです。
頭四つ(あたまよつ)
対戦中に、両力士とも相手の廻しを取らず(あるいは取れず)、互いに頭と頭をくっつけ合って押し合っている状態のことを「頭四つ(あたまよつ)」と呼びます。
手は相手の腕(二の腕など)にあてがったり、下からあてがって攻防を防いだりしていることが多く、膠着状態になりやすい体勢です。ここからいかにして相手の体勢を崩し、自分の有利な組み手(四つ身)に持ち込むか、あるいは突き放すかが勝負の分かれ目となります。
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