この記事では大関昇進の目安である「直近3場所33勝」について解説していきます。
また、これまでの大関がどのような成績で昇進を果たしてきたのか?昭和以降の大関の昇進前成績を直近3場所、そして6場所も含めて一覧表にまとめました。どうぞお楽しみください。
この記事の目次
大関とは
まずは簡単に大関の地位についてご説明しましょう。大関は横綱に次ぐ地位
大相撲の頂点は横綱ですが、その横綱に次ぐ地位なのが大関です。大相撲が興った当初には「横綱」という地位はなく、明治42年(1909)に横綱が正式に最高位と制定されるまでは大関が最高位でした。もともとの興りが「名誉称号」だった横綱とは違い、大関は番付に最低2名(東西)が必要とされています。このため、もしも大関がいない場合には横綱が大関を兼ねる「横綱大関」という地位になります。
大関昇進の基準
大関昇進のための基準ですが、実はこれは明文化はされていません。相撲協会も基本的には目安の存在は否定のスタンスを取っています。 さて、ここまでは建前ですが一般的には「昇進の基準」とされるものがあります。
直近三場所で33勝以上
その基準とは「三場所連続で三役(関脇・小結)の地位にあり、そこで通算33勝以上」というものです。また、「関脇で連続三場所の安定した好成績」といわれることもあります。
この「33勝」という数字がどこから誕生したかは諸説ありますが、基本的にはマスコミが報道するにあたって推測する過程で生まれたようです。時代によってはこれが30勝以上のこともありましたが、平成中頃からはおおよそ33勝で定着しているようです。
もちろんこれはあくまで「目安」であり、相撲内容や優勝の有無などの印象も加味されて総合的に判断されるため、勝星が足りていても昇進が見送られるケースもあります。
大関昇進前の成績一覧
お待たせしました。では大関に昇進した歴代の力士たちを一覧表にしてみてみましょう。ここではのちに横綱に昇進した力士も含まれています。
なお、リストに掲載した力士についてですが、基準といわれる「33勝」の考察など条件を同じにするために昇進直前6場所すべてが15日制である力士、具体的には吉葉山(のちの横綱)以降を取り上げています。
大関昇進の条件としてよく取り上げられるのは直近3場所での成績ですが6場所、つまり1年間の成績を流れで見てみると、満を持して大関へと昇進した力士や、急激に力をつけた力士との違いが見えてきて面白いですよ。
四股名は大関昇進時のもので、その後横綱に昇進した力士たちも含まれています。
こうして見てみると当然かもしれませんが成績には大きな違いがあることが分かります。また時代をさかのぼるとボーダーラインが30勝あたりであることも分かりますね。 それでは次は昇進3場所前の成績順にフィルタリングをしてみましょう。大関昇進前・成績別リスト(33勝まで)
はじめに基準である33勝、そしてそれ以下の力士を順にみていきましょう。3場所33勝
まずは基準の直近3場所33勝だった大関たちです。のちに横綱へと昇進した者、また大関として名を馳せた力士など様々ですね。「基準」といわれるだけあり昇進力士数も17人と最多となっています。
直近3場所の成績でみると初代・貴乃花は起点となる3場所前から一気に勢いに乗って大関昇進を決めたことが分かります。逆に起点が8勝の武蔵丸や魁皇、そして照ノ富士などは場所を追うごとに勝星を積み上げていますね。
ではさらに直近6場所の成績でみてみましょう。輪島や旭國、琴奨菊、そして鶴竜などは安定的に好成績だったことが分かります。それに反して初代・貴乃花は6場所での勝星は57勝と少なめですね。起点が8勝、5場所前はわずか6勝だった貴乃花ですが、そこから盛り返して後半で加速したことがよく分かります。また、照ノ富士も合計が56勝と少ないですね。
照ノ富士に関しては場所ごとの番付と成績も見てみましょう。3場所前はまだ前頭だった照ノ富士ですが、2場所前で優勝次点、昇進を決めた場所で優勝というように短期間でグッと昇進を決めたことが分かります。
3場所32勝
次は直近3場所が32勝だった力士たちです。このグループは9人いました。のちの大横綱・北の湖をはじめ、千代大海や稀勢の里、豪栄道、そして朝乃山などがいますね。北の湖は「スピード出世」のイメージがありますが、32勝での昇進と大勝ちしたわけではないことが分かります。6場所の合計をみても大勝ちをした感じではないですね。しかし若干20歳の昇進直前場所で初優勝を決めた北の湖は、時の勢いに乗り、大関在位わずか3場所で横綱にまで昇りつめました。
最近では朝乃山の昇進がありました。直近6場所で61勝とまさに勢いに乗っての昇進だったことが分かりますね。
3場所31勝
直近3場所が31勝の力士は4人です。6場所でみてもそれほど高い勝ち星ではありませんが、最後に優勝や優勝次点だったことが決め手になった印象ですね。
3場所30勝
次は直近3場所30勝の力士たちです。こちらは5人の力士がいました。「30勝」と聞くと低い成績のように思えますが、6場所でみると柏戸や佐田の山は好成績を維持していたことが分かります。また、昇進年齢が若い力士が多いことにも注目です。
3場所30勝未満
昇進勝ち星が少ない力士として、最後に30勝未満を見てみましょう。昭和20~40年代ということもあり、現在に比べて少ない勝ち星での昇進となっています。しかし、のちに横綱へと昇進した力士が大半のこのグループ、ある意味先見の明があったと言えそうです。
大関昇進前・成績別リスト(33勝以上)
3場所34勝
ここからは勝ち星が多いグループを見ていきます。まずは3場所34勝です。14人の力士がいました。
安定的な成績を残している力士が多く、また優勝やそれに絡む場所を多く経ていることが分かります。直近6場所に目を移すと琴ヶ濱の69勝は凄いですね!
最近では貴景勝が6場所合計63勝をあげています。最後は10勝での昇進でしたが、安定的な成績をおさめていたということで文句なしの昇進だったと言えるでしょう。
3場所35勝
次は35勝のグループです。10人の力士が35勝で昇進を果たしています。「昭和の大横綱」千代の富士と「平成の大横綱」白鵬がここに居ますね。
3場所36勝
次は3場所36勝のグループは6人の力士がいました。「昭和の大横綱」大鵬は若干20歳にしてこの成績で大関昇進を決めています。やはり格が違いますね。琴欧洲に北勝海も若くして大きな勢いに乗っての昇進でした。
3場所37勝
最後は3場所37勝です。この成績で4人の力士が大関昇進を果たしています。非常に優秀な成績での大関昇進ですが、意外なことにこのグループの中で横綱へと昇進した力士は3代若乃花だけでした。
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