八角部屋の歴史と注目ポイント、所属力士などをご紹介!

若手ながらも貫禄十分で力強い相撲をみせる北勝富士と、ベテランの域にさしかかった隠岐の海が所属する八角部屋は高砂一門の相撲部屋です。

八角部屋の歴史と特徴、そして所属力士などをご紹介していきます。

八角部屋の基本情報創設 :平成5年(1993年)10月
所在地:東京都墨田区亀沢1-16-1
師匠 :八角 信芳(第61代横綱・北勝海)
主な所属力士:隠岐の海、北勝富士、大岩戸

八角部屋の歴史

八角部屋は、平成4年(1992)5月場所を最後に現役を引退し、九重部屋の部屋付き親方となっていた元横綱・北勝海の8代八角親方が、平成5年(1993)10月に九重部屋から分家独立して創設されました。

兄弟子からの独立

引退当初は一代年寄北勝海を襲名していた北勝海でしたが、同じ九重部屋所属の7代八角(元前頭筆頭・嶋錦)が平成5年9月末での停年にあたり、名跡を譲り受けました。9月末の八角襲名からの10月に独立。つまりこの独立は、前もって譲渡される確約があったうえで準備されたものでした。

兄弟子でもあった13代九重(第58代横綱・千代の富士)が率いる九重部屋からの独立の際には、内弟子だった北勝力(のちの関脇)をはじめ、九重部屋の部屋付き親方すべて(18代陣幕(元横綱・北の富士)、9代錦戸(元幕内・富士乃真)など4人)を引き連れて行くという異例のものでした。

弟子想いの北の富士さん

この18代陣幕は千代の富士と北勝海にとって師匠にあたる北の富士。しかも部屋の施設は北の富士が12代九重の時に使用していた施設を譲り受けたもの(九重部屋は平成5年6月、千代の富士の自宅を改装して移転、あらたに部屋開きをしていた)。一見、内紛のようにもみえますが、北の富士さんは後年「千代の富士は一人でやれるが、八角(北勝海)は応援してやらないと」と語っています。

このように移籍の理由は、兄弟弟子でもあり、弟子でもあった13代九重(千代の富士)が自由に部屋を運営できるようにとの配慮と、これから独立する直弟子の8代八角(北勝海)への支援のため、つまりは愛弟子二人のためには何が出来るのかを考えたうえでのことでした。

関脇・北勝力

内弟子として連れて出た北勝力はその後、平成14年(2002年)1月に新十両、同5月には初入幕を果たし、平成16(2004年)年7月には関脇に昇進しました。関脇在籍はわずかひと場所でしたが、北勝海にとっては共に独立した一番弟子が、約11年をかけて達成した快挙となりました。

相撲協会理事長

平成26年(2014年)には理事としての序列2位にあたる、事業部長の任を与えられていた八角ですが、翌年の九州場所中である、平成27年(2015年)11月20日に北の湖理事長が現職のまま死去したことにより、八角は急遽、理事長代行に就任することになりました。

その後、12月18日の理事会によって正式に第13代理事長に選出され現在に至っています。

八角部屋の注目ポイント

ここからは八角部屋の注目ポイントをご紹介していきます。

若手ながら玄人受けする実力者・北勝富士

高校・大学の頃から有望だった北勝富士ですが、二度の付出資格を棒に振って、前相撲からデビューした苦労人なんです。

2度の付出資格失効

相撲の名門・埼玉栄高校で高校総体で優勝。日本体育大学では、2年次に東日本学生相撲選手権で個人優勝して一回目の幕下15枚目各付出資格を獲得。3年次には国体で優勝し、二回目の付出資格を獲得しました。

この付出資格の行使は権利を得てから1年以内にする必要があり、大学生にとっては在学か中退かを選ばなければいけないのですが、大学にまで行かせてくれた両親のことを思った北勝富士(当時は中村 大輝)は、2度とも在学を選択して、4年生での付出資格取得を目指します。

しかし、大学最終年には付出資格の条件となるアマチュア相撲3大タイトルを逃したため、大学中に個人タイトル13冠だった中村は、前相撲からの入門となりました。

八角部屋に入門した中村は、平成27年(2015年)3月に大輝(だいき)として初土俵を踏み、就職場所で2連勝、宇良らと共に一番出世を果たします。

前相撲とは?一番出世とは?

スピード出世、そして四股名「北勝富士」

その後、序ノ口デビュー以来9場所連続勝ち越しと本来の実力を大いに発揮した大輝は、前相撲から所要10場所というスピード出世で初入幕を決め、四股名も北勝富士と改めました。

師匠である北勝海の「北勝」と、大師匠である北の富士の「富士」を受け継いだ北勝富士は、11場所まで勝ち越し記録を伸ばしましたが、12場所目に初の負け越しを経験しました。しかし翌場所には幕内で初の二桁10勝で巻き返すなど着実に力をつけてきています。

稽古嫌いだけど、たまにミラクルを見せる隠岐の海

「イケメン力士」と言われることもある隠岐の海ですが、北の富士さんからは「いろんな弟子を見たけど、あんな稽古をやらない奴は見たことない」と嘆かれるほどの稽古嫌いだそうです。しかしそれと同時に北の富士さんは「大関にできなかったら八角親方の責任だよ」とその才能を評価しており、NHKでの解説を聞いているとその複雑な心境が垣間見えて面白いです。

大勝ちしたと思ったら翌場所は大負けと波は激しいですが、たまに優勝争いに絡んできたり、結果負け越しの場所なのに綱取りがかかった力士には勝ってその綱取りを阻んだりと、事あるごとに話題となる不思議な力士です。

「筋肉親方」谷川さんの解説

八角親方の一番弟子である北勝力は現在、13代谷川として八角部屋で指導にあたっているのですが、解説者としての谷川さんにぜひ注目してみてください。NHKでの解説の分かりやすさもあるのですが、その筋肉に対するこだわりが異常なんです。

いろんな力士の筋肉を見ては「上腕二頭筋がいい」や、「あの背中の筋肉は鍛え方を知っている人の筋肉ですよ」だの「(残念そうに)筋密度が落ちてきてるなー…」等々、筋肉専門家のように独自の視点で相撲解説をしてくれます。

また他の解説者に比べると、取組中にもかなり解説をいれてくるので、目と耳が離せませんよ!

谷川さんが解説者の時は、要注目です。

八角部屋の所属人員

ここからは八角部屋に所属する人員をご紹介いたします。
また、最新場所の機能的な番付表もご用意しています。様々な情報を並び替えて見ることが出来ます。
⇒機能的な最新番付表

師匠

8代八角(第61代横綱・北勝海):北海道

生年月日:昭和38年6月22日(60歳)
生涯戦歴:591勝286敗109休874出場
優勝歴:優勝8回
受賞歴:殊勲賞3回・敢闘賞3回・技能賞5回

力士

所属力士の最新成績とより詳しい情報を知りたい方はこちらをどうぞ。 ⇒ 八角部屋所属力士の最新場所

部屋付き親方

年寄・19代陣幕(元前頭筆頭・ 富士乃真 ):千葉県
生年月日:昭和35年11月6日(63歳)
生涯戦歴:408勝386敗47休792出場

年寄・13代谷川(元関脇・北勝力):栃木県
生年月日:昭和52年10月31日(46歳)
生涯戦歴:573勝566敗53休1136出場
優勝歴 :三段目優勝1回
受賞歴 :殊勲賞1回・敢闘賞3回・金星1個

行司

幕下格行司・木村 亮輔(りょうすけ):長野県

床山

三等床山・床路(とこみち):兵庫県

過去に在籍した主な力士

  • 十両10・北勝光(ほくとひかり):熊本県
  • 十両11・雷光(らいこう):大阪府
  • 十両10・北勝岩(ほくといわ):青森県
  • 小結・海鵬(かいほう):青森県
  • 関脇・北勝力(ほくとうりき):栃木県
  • 十両筆頭・保志光(ほしひかり):モンゴル
  • 十両6・北勝国(ほくとくに):山形県
  • 幕下7・朱雀(すざく):福島県
カテゴリー : 高砂一門

公開日:2017-11-20
投稿者:レイ

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