大相撲の「審判委員(審判部)」とは?勝負を裁く5人の親方の役割と配置

大相撲中継を見ていると、土俵の下で厳しい表情をして勝負を見守る、紋付羽織・袴(はかま)姿の親方衆の姿が映ります。
彼らは日本相撲協会の「審判部(しんぱんぶ)」に配属された年寄(親方)であり、土俵上の勝負を厳格に裁く「審判委員(勝負審判)」たちです。

今回は、きわどい勝負の際に「物言い」をつける彼らの役割や、土俵周りでの配置、そして「審判長」や「時計係」といった特別な役目、さらにはビデオ判定の裏側まで詳しく解説します。

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勝負を裁く5人の「審判委員」の配置

本場所の土俵下には、1つの取組につき必ず5人の審判委員が配置されます。
彼らは土俵の四方と向正面に分かれて座り、行司とは別の角度から勝負の行方に目を光らせています。

大相撲の土俵の俯瞰図・各部の名称とサイズ

上の土俵俯瞰図にあるように、5人の審判委員は以下の位置に座ります。

  • 正面(しょうめん): 審判長が座る位置。
  • 向正面(むこうじょうめん)の東寄り(赤房下): 時計係審判が座る位置。(※控え行司の隣の行司溜まり)
  • 向正面(むこうじょうめん)の西寄り: 審判委員が座る位置。
  • 東(ひがし): 審判委員が座る位置。
  • 西(にし): 審判委員が座る位置。
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日本相撲協会「審判部」の構成とローテーション

土俵下で勝負を裁く彼らは、日本相撲協会の「審判部(しんぱんぶ)」という部署に所属しています。

審判部は、トップである部長、それを補佐する副部長、および20名以内の委員(親方衆)によって構成される非常に重要な部署です。
本場所では、これら20数名の親方衆が4つの班に分かれ、ローテーションを組んで1日に150番を超える取組を順次交代しながらさばいています。

季節で変わる審判の装束(着物)

審判委員は常に「紋服白足袋」の正装で土俵下に座りますが、季節によって装束が変わります。
基本的には紋付羽織・袴姿ですが、気候が暖かくなる五月場所では「一重(ひとえ)の羽織に紋付」、暑さが厳しい七月場所と九月場所では「麻の着物に一重の紋付」を着用し、厳しい環境の中で長時間の任務にあたっています。

特別な役割を持つ「審判長」と「時計係」

土俵下に座る5人の審判委員のうち、2名には特別な役割が与えられています。

マイクで説明を行う「審判長(しんぱんちょう)」

土俵の「正面」に座る年寄は、その取組における審判長(しんぱんちょう)を務めます。
勝負判定で「物言い」がついて協議が行われた後、マイクを握って場内やテレビの視聴者に向けて判定結果の説明を行うのが、この審判長の役割です。

十両以上の関取の取組では、原則として審判部のトップである部長、または副部長が審判長を務め、その発言には大きな権威があります。一方、幕下以下の取組においては、その他の審判委員たちが持ち回りで審判長役を担当します。
ちなみに、その日誰が審判長を務めるかは、本場所で観客に配布される「取組表」に太字で名前が記載されているため、会場を訪れた際はぜひチェックしてみてください。

制限時間と進行を管理する「時計係(とけいがかり)」

向正面の東寄り(赤房下)に座る審判委員は、通称「時計係(とけいがかり)」と呼ばれます。
仕切りの時間を計り、制限時間になったら手を挙げて行司や呼出に合図を送るのが役割です。また、単に時間を計るだけでなく、全体の進行を見極めて制限時間を微妙に調節するという、興行全体に関わる非常に重要な任務も担っています。

きわどい勝負で「物言い」をつける仕組み

審判委員の最も重要な仕事が、勝負判定を正しく公平に決定することです。
5人の審判のうち1人でも行司の軍配(判定)に疑問がある場合や、きわどい勝負で同体(取り直し)の可能性がある場合、審判委員は自ら手を挙げて「物言い(ものいい)」をつけます。(※反則を見極めるのも審判の役割であり、行司は反則の判定を行いません)

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ビデオ室と連携した「ビデオ判定」

物言いがつくと、5人の審判委員が土俵上に集まり、行司も交えて協議を行います。しかし、肉眼では勝負が微妙で判定が難しいケースも少なくありません。
その場合、土俵上から電話を使って館内にある「ビデオ室」を呼び出し、参考意見を聞きます。ビデオ室では、決まり手係を務める年寄たちが複数のモニターで様々な角度からのスロー映像をチェックしており、土俵上の協議に情報を提供します。
これらの意見を総合して最終的な勝敗を決定し、審判長がマイクで発表します。大相撲における勝負の最終決定権は、行司ではなくこの審判委員たちが握っているのです。

力士の相撲態度を律する責任

審判委員の役割は、勝負の判定だけではありません。土俵上の競技進行に目を配り、相撲競技規定に抵触したり違反したりすることがないようにする責任があります。
土俵際での勝敗を見極めるとともに、力士の相撲態度にも厳しい目を光らせ、相撲道を律するという、大相撲の根幹を守る非常に重い役割を担っているのです。

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