「あ」から始まる大相撲用語

相撲中継やニュースなどで出てくる言葉や、歴史のある大相撲の世界で使われている独特の用語などを知ると、もっと大相撲が面白くなる!

大相撲にまつわる用語、ここでは「あ」から始まる言葉をご紹介していきます。

合口/相口(あいくち)

対戦相手との相撲の相性のことで、地位や実力には関係なく勝敗に大きな差が付くケースがある。

合口がいい

自分にとって取りやすい相手であり、分があること

合口が悪い

苦手にしている力士に対して使われる言葉

相中/間中/合中(あいちゅう)

江戸の頃の番付にあった地位で、幕下五段(現在の序ノ口に相当)よりも下位に位置する。 その頃は前相撲から始まり、相中(あいちゅう)、本中と進み、ようやく幕下五段(序ノ口)へと辿りついた。

番付には相中の痕跡が

相中と本中を合わせて「中相相撲(ちゅうあいずもう)」とよんでいたが、実はこの痕跡は現在の番付表に残っている。

番付表の左下をよく見ると「此外中前相撲東西ニ御座候(このほかちゅうまえずもうとうざいにござそうろう)」と書かれており、意味は「番付に載っている者以外にも中前相撲を取る力士が東西にいるよ」ということだが、この中前相撲の「中」が相中や本中力士のことを指している。

相手十分(あいてじゅうぶん)

主に四つ相撲で用いられる言葉で、相手の得意な型を許してしまい、自分にとって不利な体勢になることをいう。「向こう十分(むこうじゅうぶん)」という言い方をするときもある。

あがり柝(あがりぎ)

結びの後には弓取り式が行われるが、その弓取り式終了と同時に呼出が入れる柝(き)のことをあがり柝という。

この柝が入った時刻が打ち出し時間であり、打ち出しを周囲に知らせるために櫓では跳ね太鼓が打たれる。

上がり段(あがりだん)

土俵の傾斜面のことを「土端(どば)」というが、その傾斜面に作られた踏み段のことを上がり段という。踏み段は俵が埋められて作られていることから「踏み俵(ふみだわら)」と呼ぶこともある。

設置個所は土俵の正面に1か所、向正面と東西の3面にはそれぞれ3か所ずつ作られており、力士や行司、呼出、審判が土俵の上がり下がりに使用する。

空き名跡(あきみょうせき/あきめいせき)

相撲協会は現在の年寄名跡を確認するために「年寄名跡目録」という目録を作成しており、現在は105の年寄名跡が記載されているが、この目録に記載された年寄名跡のうち、力士出身の有資格者によって襲名、または継承されていない名跡のことを空き名跡と言う。

もしも5年間、襲名・継承者がいない年寄名跡については、理事長が取り扱いについて審議すると定められている。

なお、年寄名跡のことを「株」ということもあるが、これは俗称であり「親方株」や「年寄株」などもすべて俗称である。相撲協会の正式な用語は年寄名跡となる。

あげ俵(あげだわら)

勝敗を決する勝負俵(しょうぶだわら)の外側には、角俵(かくだわら)と呼ばれる俵が正方形に埋められているが、その四隅に各1俵ずつ斜めに配置された俵のことをあげ俵という。ちなみに、あげ俵の長さは61.5㎝、直径は約15㎝となっている。

明け荷/開け荷(あけに)

力士の締込や化粧廻しなどを入れるための葛篭(つづら)のこと。竹で編まれており、表面には和紙を貼って渋と漆によって固められている。サイズは長手側(長さ)が80㎝、短手側(幅)が45㎝、深さは30㎝となっており、中身を入れておよそ10㎏ほどの重さになる。

この明け荷は、関取(十両以上の力士)だけが持つことを許されており、表面には四股名が鮮やかに記されている。力士が関取に昇進したときに同期生や後援者から贈られることが多い。

明け荷は本場所初日までに付け人によって仕度部屋に運び込まれる。ちなみに横綱の場合には3個ほどの明け荷を用いる。

十枚目格以上の行司も明け荷を持つことができるが、力士用のものよりは小ぶりである。

朝稽古(あさげいこ)

普段の部屋での稽古は早朝から行われるが、特に朝稽古という言い方はしない。これは稽古は朝行うことが普通だからである。

では「朝稽古」と敢えて言うのはいつか?これは巡業のときであり、取組表に「〇〇時より朝稽古」と記載されることがある。稽古の様子を見れるのも巡業の醍醐味だが、観客のために取組表に朝稽古と記載して時間を設けている。

朝太鼓(あさだいこ)

呼出が櫓の上で打つ太鼓の打ち方のひとつであり、「寄せ太鼓(よせだいこ)」の別称。本場所中の午前8時から30分ほど打たれている(地方場所は8時半頃から)。相撲を開催中であることを知らせるものであり、来場を勧める意味が込められている。

麻もみ(あさもみ)

横綱の綱の材料である麻を柔らかく揉みほぐす作業のこと。綱を作ることを「綱打ち(つなうち)」というが、新横綱が誕生したときと年3回の東京本場所前に、横綱の所属部屋の力士たちが中心となり行われている。

この綱打ちのときの、麻に米ぬかをまぶしながら細く柔らかく揉みほぐしていく作業のことを麻もみと呼んでいる。麻の量は6~10㎏ほどあり、大変な重労働である。

足切り制度(あしきりせいど)

相撲協会が昭和32年(1957)5月場所より実施した人員削減制度の別称であり、この制度は昭和42年(1967)3月場所限りで廃止された。

制度の内容は、入門より20場所を経ても幕下に昇進できなかった場合、力士養成費(養成員養成費等)の支給を停止するもので、「クビ」ではないが見込みがない力士にとっては非常に厳しいものだった。昭和33年1月場所より年6場所となったため、基準場所数が30場所に変更された。

預かり(あずかり)

江戸の頃から大正末期まであった判定制度のひとつで、物言いで勝負判定が決しかねた場合に勝負を預かったもの。結果をその場で即決することもあったが、あとで取締・検査役が協議して決定する場合もあり、これを「協会さばき」と呼んでいた。

引き分け」と「預かり」は大正14年(1925)11月に廃止されており、以降は取り直し制度に改められた。しかし特例として昭和18年~19年にかけて預かりが6回認められたことがある。

明治以降、預かりと判定されたものは次の3つに分かれていた。

丸預かり(まるあずかり)

双方が互角であったとするもので星取表には双方に△(預かりの記号)が記された。いわゆる引き分けと同じ意味合いとなる。俗称で「ずぶ」といった。

隠れ星(かくれぼし)

星取表には双方に△が記されるが、内実は勝ちに相当する「丸星」と、負けではないが分がわるい「半星」という評価が成された。力士双方の顔を立てるために用いられた便法ではあるが、丸星とされた力士は番付や給金が上がることもあり、半星にはそれらがなかった。表立っては勝星とはされないが内実は勝星として勘定されていることから「隠れ星」や「陰星」と呼ばれた。

土俵預かり(どひょうあずかり)

勝敗を明らかにするもので行司差し違えとの判断が主だが、その場の体裁を繕うような判定のこともあった。「体裁」とは物言いをつけた控え力士の顔を立てる場合や、負け力士に花を持たせるなど温情や微妙な機微によるものがあった。

汗かき(あせかき)

力士の汗や身体についた砂をかき落とすのに用いられる道具。材料は真竹で、幅1.5㎝ほどで縦に割りU字形に曲げて使う。ぐいぐいと皮膚の中の汗までかき出されるようで爽快な気分になるらしい。現在はタオルでぬぐうことがほとんどで、汗かきを使うことは少ない。

兄弟子(あにでし)

最終的には番付がモノを言う相撲の世界ではあるが、自分より先に入門した力士のことはすべて兄弟子と呼び敬う。力士同士だけでなく、行司や呼出、床山など職域を超えて先に相撲協会員となった者は兄弟子となる。

兄弟子負け(あにでしまけ)

先輩力士との対戦で、相手の貫禄や経験などによって気おくれしたように負けたときに使われる言葉。

油銭(あぶらせん)

力士が髷を結ってもらったときに心付けとして床山に渡す油代のこと。床山は相撲協会から櫛と元結が支給されているが、すき油(びんつけ油)については各力士が油銭として負担している。

荒木田(あらきだ)

土俵を造る粘土質の土の名称。旧荒川(現在の隅田川)流域の荒木田の原で採れた土は粘りがありながら乾燥が速く、土俵造りに最適だったことから「荒木田」と呼ばれて重宝された。現在は千葉県我孫子市や茨城県筑波周辺の土を使用しているが、依然として「荒木田」の名称が使われている。

以前は東京場所のみ荒木田で、地方場所はその土地の土が使われていたが平成29年(2017)11月場所(九州場所)からは荒木田を運び、年6場所すべて荒木田による土俵となった。

なお、相撲協会の「相撲規則 土俵規定 第2条」にも「土俵は荒木田(あらきだ)をもってつきかため、四股を踏んでも足跡がつかない堅さにして、砂を入れる」と定められている。

あんこ/あんこ型(あんこがた)

肉付きがよく丸々と太って腹が突き出た力士の体型や、そのような体型の力士のことを指す。魚のアンコウから連想された言葉で、アンコウの丸々とした体型に喩えられた言葉。

また、新弟子のことを「あんこ」と呼ぶこともある。

あんま

下位力士が上位力士の稽古相手をすること。実力の差があり、上位の力士にとっては軽く身体をほぐす「マッサージ(按摩)」のような稽古だという意味で使われる相撲界独特の表現。

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