大相撲用語解説。今回は「一番出世(いちばんしゅっせ)」について解説します。
新弟子検査に合格した若者たちが、本場所の土俵で最初に目指すのがこの一番出世です。出世披露のルールや、二番出世・三番出世との違いを紐解いてみましょう。
一番出世とは
一番出世とは、新弟子検査に合格した力士が本場所の「前相撲」を取り、協会が定めた期日までに規定の勝ち星を挙げて、最初に行われる「新序出世披露(しんじょしゅっせひろう)」を受けること、またはその力士自身のことを指します。「新序」と呼ばれることもあります。
前相撲は番付に載る前の新弟子たちが行う取組ですが、通常は本場所の3日目(新弟子が多い三月場所のみ2日目)から始まり、ここで早く勝ち星(原則として3勝)を挙げることで、出世の順番が決まっていきます。
新弟子が多い三月場所の「出世の順番」
日本の学校が卒業・新年度を迎える時期と重なり、一年で最も多くの新弟子が入門する春場所(三月場所)では、前相撲を取る力士の数も他の場所に比べて多くなります。そのため、規定の成績に到達したタイミングによって「一番出世」から「三番出世」まで段階的に分けられています。
- 一番出世:2日目の前相撲から取り始め、5日目までに3勝を挙げた力士。5日目に出世披露を受けます。
- 二番出世:引き続き相撲を取り、6日目から8日目の間に通算3勝目に到達した力士。9日目に出世披露を受けます。
- 三番出世:10日目から11日目の間に通算3勝目に到達した力士、および全敗であっても休場しなかった(全休でない)力士。12日目に出世披露を受けます。
このように、たとえ前相撲で1勝もできずに全敗してしまったとしても、本場所の土俵に上がり続けてさえいれば、三番出世として出世披露を受けることができます。
なお、新弟子の入門数が少ない他の五場所(一月、五月、七月、九月、十一月)においては、出世の段階を細かく分けず、前相撲は3日目から開始し、8日目(中日)に「一番出世」として一斉に披露が行われるのが一般的です。
晴れ舞台「出世披露」の様子
規定の成績を収めた力士たちは、土俵上で出世披露を受けます。出世披露は通常、幕下以下の取組が進行している午後1時頃(三段目の取組の終盤など)に行われます。
まだ自分の化粧廻しを持っていない新弟子たちは、師匠や部屋の関取衆から借りた豪華な化粧廻しを締めて土俵に上がります。行司による口上の後、一人ひとりのしこ名、所属部屋、出身地が館内に紹介され、観客から大きな拍手を浴びます。
この出世披露(一番出世〜三番出世)を無事に終えた力士は、翌場所の番付で初めて「序ノ口」にしこ名が掲載され、大相撲の番付社会への第一歩を踏み出すことになります。
「一番出世」のまとめ
- 新弟子検査合格後、前相撲で規定の勝ち星を挙げて最初に受ける出世披露のこと
- 新弟子が多い三月場所では、成績到達の早さによって「一番」「二番」「三番」に分けられる
- 全敗しても休場さえしなければ「三番出世」として出世披露を受けられる
- 披露の際は、師匠や兄弟子から借りた化粧廻しを締める
- 出世披露を受けると、翌場所から「序ノ口」として番付に載る
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