大相撲の制限時間とは?仕切り制限時間の長さと「制限時間いっぱい」の歴史

大相撲用語解説。今回は「制限時間(仕切り制限時間)」について解説します。

テレビ中継や本場所の館内でよく耳にする「制限時間いっぱい」というフレーズ。力士たちが何度も仕切りを繰り返すなかで、どのように時間が計られ、どのような決まりがあるのかを分かりやすくまとめました。

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制限時間(仕切り制限時間)とは

大相撲における制限時間とは、日本相撲協会の「寄附行為施行細則 附属規定」である「相撲規則 勝負規定」(昭和30年(1955年)5月8日施行)に定められた、両力士の呼吸が合って立ち合うまでに仕切り直しを許される時間のことです。

正式名称は「仕切り制限時間」ですが、相撲界や中継などでは通常「制限時間」、あるいは単に「時間」と略して呼ばれます。

大相撲では、土俵に上がってすぐに立ち合うのではなく、制限時間内であれば仕切り直して呼吸を合わせることが認められています。

仕切りの基本的な所作や意味については、以下の解説記事もあわせてご覧ください。

番付(地位)によって異なる制限時間

現在、仕切り制限時間は力士の番付(地位)に応じて以下のように定められています。

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  • 幕内:4分
  • 十枚目(十両):3分
  • 幕下以下:2分以内

土俵の赤房(あかぶさ)の下に座る時計審判(審判委員)が、呼出による両力士の呼び上げが終わったときから時間を計り始めています。

やがて制限時間いっぱいになると、時計審判から行司と呼出へ、手を差し出すなどの仕草で合図が送られます。合図を受けた行司は、仕切る両力士に「時間です」と声をかけ、立ち合いに向けて双方が呼吸を合わせるように促します。

「制限時間いっぱい」を迎えたあとのルール

制限時間いっぱいを迎えると、それまでの仕切りとは異なるルールが適用されます。

最後の塩と仕切り直し

仕切り制限時間内であれば、仕切り直すたびに土俵際へ塩を取りに戻ることができます(※塩をまくのは十両以上での取組)。しかし、制限時間後に仕切り直しとなった場合、再び塩を取りに戻ることは許されません。

もし制限時間を過ぎたあとに土俵の外へ出てしまった場合は、その時点で負けとなります。

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時間いっぱいで故意に立たない場合

時間いっぱいを迎えたあとは、必ず立ち合わなければなりません。もし制限時間がいっぱいになったにもかかわらず、故意に立ち合おうとしない力士がいる場合、審判委員の判断によって負けを宣告することができます。

なお、立ち合いの乱れを是正するため、平成3年(1991年)9月の理事会で勝負規定が改正され、制限時間後に故意の「待った」をした力士に制裁金(幕内以上10万円、十枚目5万円)を科す制度が導入されたことがありました。しかし、力士自身の自覚を促す方針へと改められたため、翌10月の理事会で廃止(同年9月場所に遡って適用廃止)されたという経緯もあります。

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制限時間はなぜできた?歴史と変遷

江戸時代から明治時代にかけての相撲には、仕切りの制限時間がありませんでした。そのため、双方が納得いくまで何十分も仕切りを繰り返し、立ち合うまでに長い時間がかかることが日常茶飯事でした。

昭和2年、ラジオ放送の開始とともに導入

制限時間が初めて設けられたのは、昭和2年(1927年)1月場所です。この場所から大相撲のラジオ実況放送が始まったため、放送時間内に取組を進行・終了させる必要が生じたことが導入のきっかけでした。

導入当初の制限時間は現在よりもかなり長く取られていましたが、時代とともに段階的に短縮されていきました。

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制限時間の変遷

大相撲における制限時間の主な推移は以下の通りです。

  • 昭和3年(1928年)1月:幕内10分、十枚目7分、幕下以下5分
  • 昭和17年(1942年)1月:幕内7分、十枚目5分、幕下以下3分
  • 昭和20年(1945年)11月:幕内5分、十枚目4分、幕下以下3分
  • 昭和25年(1950年)9月:幕内4分、十枚目3分、幕下以下2分(現在の長さに制定)

こうして昭和25年(1950年)9月場所から、現在の「幕内4分・十枚目(十両)3分・幕下以下2分」のルールが定着し、現在に至っています。

「制限時間」のまとめ

大相撲の「制限時間(仕切り制限時間)」は、昭和2年(1927年)のラジオ放送開始を機に誕生し、度重なる短縮を経て現在の時間に落ち着きました。

時計審判から合図が出され、行司の「時間です」の声がかかった瞬間に土俵上を包む緊張感や、最後にたっぷりと塩を撒いて相対する力士たちの気迫は、大相撲観戦における最大の見どころの一つです。制限時間のルールや歴史を知ることで、土俵上の心理戦や駆け引きをより一層深く楽しむことができます。


他にも気になる相撲言葉が調べたいときは、大相撲用語事典へぜひどうぞ。

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