【大相撲の非技5種】勇み足・腰砕けの意味と「かばい手」の判定基準

取組の見所である「決まり手」。大相撲には現在これだけの技が存在します。

82
決まり手
6
分類
5
非技
8
反則

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大相撲の取組において、勝負がついたのに「決まり手」が発表されないケースがあるのをご存知ですか?

相撲には、寄り切りや上手投げといった相手を倒す技とは別に、「相手の技が直接の原因ではなく、自らバランスを崩したり、土俵の外に出てしまったりして負ける」ケースが存在します。これを大相撲では「非技(ひぎ)」または「勝負結果」と呼びます。サッカーで言うところのオウンゴール(自殺点)のようなものです。

現在、日本相撲協会が定める非技は全部で5種類あります。この記事では、それぞれの非技の特徴と違い、そして判定をめぐってしばしば議論になる「かばい手」と「つき手」の境界線について詳しく解説していきます!

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土俵の外に出てしまう非技(2種)

相手に押し出されたり寄り切られたりしたわけではないのに、自ら土俵(蛇の目)の外へ足を出してしまうケースです。

不覚のアクシデント「勇み足(いさみあし)」

相手を土俵際まで一気に追い詰め、「勝った!」と思った勢いのまま、相手より先に自分の足が土俵の外に踏み越して(はみ出して)しまう負け方です。

日常会話でも、勢いに乗ってやり過ぎてしまい失敗することを「勇み足」と言いますが、まさにこの相撲用語が語源です。相手が「うっちゃり」などの技を仕掛けていないのに、思わずつま先が俵の外に出てしまうケースなどで適用されます。

あっけなく負ける「踏み出し(ふみだし)」

平成13年(2001年)に追加された比較的新しい勝負結果です。

勇み足が「自分から攻め込んで踏み越してしまう」のに対し、踏み出しは「相手の動きに足がついていかなかったり、体勢を立て直そうとして後ずさりした際に、思わず足を土俵の外へ出してしまう」負け方を指します。相手の力が直接加わっていない状態での自滅であるため、押し出しや寄り切りではなく「踏み出し」となります。

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土俵内で倒れてしまう非技(3種)

土俵の中での攻防中に、相手の技を受けずに自らバランスを崩して倒れてしまうケースです。

自ら崩れ落ちる「腰砕け(こしくだけ)」

相手が何も技を掛けていないのに、自分の腰が入りすぎて重心が後ろに傾くなどして、自ら体勢を崩して尻もちをついたり倒れたりする負け方です。ファンが一瞬「一体どうなっているんだ?」と首を傾げるような、あっけない幕切れになることがよくあります。

ただし、相手が何らかのアクション(引いたり、体をかわしたり)を起こした結果として倒れた場合は、引き落としや突き落としなどの決まり手がつくため、腰砕けとは判定されません。

バランスを崩す「つき手(つきて)」

相手の力が加わっていないのに、攻撃中や守備中に自らバランスを崩し、両手または片手を土俵についてしまう負け方です。

「つきヒザ(つきひざ)」

つき手と同様に、自らバランスを崩して両ヒザまたは片ヒザを土俵についてしまう負け方です。

判定を難しくする「死に体」と「かばい手」

非技の中でも「つき手」は、四つに組んだ状態での攻防や、土俵際での投げの打ち合いになった際、しばしば判定をめぐって審判を悩ませる要因になります。ここで重要になるのが「死に体」と「かばい手」という相撲特有の概念です。

「死に体(しにたい)」とは?

死に体とは、「もはや自力で自分の体をコントロールできず、どうやっても倒れるか土俵を出るしかない状態」のことです。相撲のルールでは、相手をこの「死に体」の状態に追い込んでいれば、攻めている側が先に手をついたり、土俵の外に足を出したりしても勝ちになります。

相手への思いやり「かばい手」の境界線

相手を完全に死に体に追い込んだ際、そのまま相手を下敷きにして倒れ込むと、相手がケガをしてしまう危険があります。そこで、相手にケガをさせないための緊急避難的な思いやりとして、攻めている側が故意に先につく手を「かばい手」と呼びます。この場合、先に手をついても負け(つき手)にはならず、かばい手をした力士の勝利が認められます。

かばい手がもたらす土俵上のドラマ

しかし、倒される側も異常な執念を燃やして粘るため、「本当に死に体だったのか(かばい手か)」「まだ生きている体だったのか(つき手か)」の判断は非常に難しくなります。

平成17年(2005年)の名古屋場所、ベテランの琴ノ若が横綱・朝青龍を上手投げで豪快に裏返しにした一番では、琴ノ若が朝青龍を敷きにするのを避けようと、優しさから「かばい手(左手)」を先につきました。行司は琴ノ若に軍配を上げましたが、物言いの結果、「両者の体が落ちるのと琴ノ若の手がつくのが同時」と判定され、取り直しになるという不運なドラマもありました。しかし、その後琴ノ若は別の取組でも相手をかばってヒザをつくなど、プロとしての美しい心意気を見せています。

「礼に始まり、礼に終わる」大相撲において、勝負がついた後の相手をかばう行為は、何とも麗しい光景です。次にきわどい勝負を見た際は、「今の先についた手は、つき手(負け)か、それともかばい手(優しさ)か」という視点で見ると、力士のプロ意識の高さに感動させられるかもしれません。

決まり手解説記事一覧

決まり手の解説記事へのリンクは、以下の一覧ページをご覧ください。


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カテゴリー : 非技
公開日:
投稿者:レイ

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