大相撲の「ぶつかり稽古」とは?やり方や受ける側の目的を徹底解説

大相撲用語解説。今回は「ぶつかり稽古」について解説します。

相撲の稽古といえば、若手力士が泥だらけになって何度も上位力士にぶつかっていく過酷な姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

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ぶつかり稽古とは

大相撲におけるぶつかり稽古とは、ぶつかる力士と受ける力士に分かれて行う、相撲の基本となる「押し」と「受け身の型」を身につけるための重要な稽古です。

基本的には、下位の力士がぶつかる側となり、上位の力士が受ける側(胸を貸す側)となって行われます。息が上がり足が前に出なくなるまで何度も繰り返される、非常に過酷な稽古の一つです。

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ぶつかる側の手順と目的

ぶつかる側の力士は、以下の手順で稽古を繰り返します。攻撃の威力だけでなく、ケガをしないための受け身を体に染み込ませることも大きな目的です。

  • 当たる・押す: 両脇をしっかりと締め、相手の右胸をめがけて額(ひたい)から激しく当たります。その後、手は「筈(はず)」の形にして相手の脇に差し入れ、突き放すように力強く相手を押していきます。
  • 土俵の端まで押す: 相手から離れることなく、土俵際まで一気に押し切る稽古を行います。
  • 受け身をとる: 相手を押し切れなくなったり、押し手の腰が伸びきったりすると、受け手は相手の首を押さえて突き落とします。その勢いで横転し、相撲でケガをしないための「受け身の型」を身につけます。(※突き落とさずに首を押さえたまま、さらに「すり足」をさせるパターンもあります)

一度のぶつかりが終わると、すぐに元の位置まで起き上がり、また全力でぶつかっていくという手順を何度も繰り返します。数回繰り返すだけで完全に息が上がってしまうほどハードなため、基本的に朝稽古の最後(締め)に行われます。

受ける側の手順と目的

一方、胸を貸して受ける側の力士にとっても、これはただ相手の攻撃に耐えたり、受け身の練習に付き合ったりするだけの稽古ではありません。

受ける側は、仕切り線よりやや広めに両足を広げて腰を深く割り、右足を踏み込んで、どっしりと構えて相手のぶつかり(当たり)を踏ん張って受け止めます。そして、相手を自分から離すことなく、ズルズルと土俵際まで押させていき、最後の土俵際でグッと残す(こらえる)防御の稽古を行います。

これにより、受ける側も実戦において相手の攻めを残せる強い腰や足腰の鍛錬となり、同時に防御技術を磨くことができます。このように、下位力士に存分の稽古をさせる上手な受け方のことを、相撲界では「いい胸(を貸す)」と表現します。

「ぶつかり稽古」のまとめ

ぶつかり稽古は、ぶつかる側が「押しと受け身」を学び、受ける側が「土俵際での防御と足腰」を鍛える、非常に理にかなった相撲の基本稽古です。泥まみれになりながら限界まで体をぶつけ合うこの稽古を通じて、力士たちは本場所の激しい取組に耐えうる頑強な体と精神力を培っていくのです。

ぶつかり稽古を含む、相撲部屋の稽古の全体的な流れについては、以下の総合解説記事もぜひご覧ください。


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