大相撲の「油銭(あぶらせん)」とは?力士が床山に渡す粋な心付け

大相撲用語解説。今回は、力士の美しい髷(まげ)を陰で支える言葉「油銭(あぶらせん)」について解説します。

力士と床山(とこやま)の間で交わされる、相撲界ならではの粋な心付けの文化です。

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油銭(あぶらせん)とは

大相撲における「油銭(あぶらせん)」とは、力士が自分の髪(髷)を結ってもらった際に、担当した床山(とこやま)に対して「心付け」として手渡すお金のことです。

文字通り「油の代金」という意味合いを持っており、力士から床山への日頃の感謝と労いの気持ちが込められた伝統的な習慣です。

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なぜ「油」の代金なのか?(相撲協会の支給事情)

力士の髷を結うためには、櫛(くし)や元結(もとゆい:髪を束ねる和紙の紐)、そして甘い香りのする「すき油(びん付け油)」などの専用の道具が欠かせません。

実は、これらの道具のうち、櫛と元結については日本相撲協会から床山に対して現物支給されています。
しかし、髪を固めて形を整えるために大量に使用する「すき油(びん付け油)」については協会からの支給ではなく、各力士が自己負担するルールになっているのです。

そのため、力士たちは髪を結ってもらうたびに、自分が消費した油の代金を補う意味と感謝の気持ちを込めて、床山に「油銭」を渡しています。

裏方を大切にする相撲界の文化

床山は相撲協会に所属する立派な職員ですが、油銭のような形で力士が自己負担し、直接心付けを受け渡す文化が残っているのは、土俵に上がる力士とそれを裏で支える職人との強い信頼関係の表れでもあります。
大相撲中継から漂ってきそうな甘い油の香りには、このような相撲部屋ならではの助け合いの文化が隠されているのです。


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